創業:1882年
~ダイバーズのの傑作「シーウルフ」で名を馳せる~
1882年にアリスト・カラムによって、スイス・ジュウ渓谷のル・ロックルにCama-e社(ゾディアックの前身)は設立した。当初は小さな時計工房として出発し、ユンハンスなどの下請けの仕事を受けていた。カラム家は1537年まで遡ることができる名家で、代々農業に従事するかたわら時計の部品を製作していた歴史的な基盤があった。
1900年代に入ると時計製造に必要な工具類まで設計・製作し、すべての製造工程を自社の管理下におさめるようになる。1908年には社名をゾディアックと改名し、この頃から自社ムーブメントを手掛け始める。当初はポケットウォッチが中心で、本格的に腕時計を製作し始めるの'20年代に入ってからである。
1939年になると他社に先駆けてパワーリザーブ付きのスポーツウォッチ「オートグラフィック」を発表。発売当社は手巻き式だったが、後に自動巻きモデルも完成させたいる。そして同社のフラックシップモデルの「シーウルフ」が'53年に発売されている。半世紀の間に文字盤やベゼル、ケースデザインが度々変更されていて、いくつかバリエーションが存在する。最初期のモデルにはダイバーズウォッチらしく三角形の夜光インデックスが施されているものの、回転ベゼルと文字盤はなぜか白色だ。モデル名とは対照的に洒落たデザインだ。
'70年代にはミステリーダイアルでお馴染みの「アストログラフィック」を発表。赤いドットが秒針の役目を果していて、まるで人工衛星のように文字盤を1周するというわけだ。その他、あまり知られていないところでは、'60年代後半から'70年代にかけて当時の先端技術であったエレクトロニック・ウォッチまで手掛けていたことだ。また'70年にスイスで最初にアナログ・クオーツを発売したのもゾディアックだった。知る人ぞ知るベータ・キャリバー21を搭載していた。
このように数多くの機種を発表し、先端技術を積極的に取り入れてきたが、日本のクォーツの台頭によりスイス時計界は大きなダメージを受けてしまう。そしてゾディアックも'79年には創業者の血を引くカラム一族の手から離れてしまう。'82年にはゼニス社が買収するが長くは続かず、'98年にGenender社の傘下となる。日本では長い間リズム時計が代理店を行っていたが契約が終わりここ数年輸入されていなかったが、2002年のバーゼルでフォッシルジャパンが代理店になった。
「ウオッチ・ア・ゴーゴー No.38」より引用
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